弊職日上は、1993年に駐在場所を香港から上海に移動して30年来中国実務に携わって参りました。とりわけ2005年以降中国案件は複雑化し、弁護士事務所だけ又は会計事務所だけで案件を対応できる時代ではなくなっております。実務経験が20年を超える日本人専門家及び中国人専門家をチームアップすることで、再編・撤退等のためのリストラ及び工場売却・法人売却(持分譲渡)は初めて可能となります。これらの対応で肝心なのは、クライアントの個別状況によって再編スキームは全て異なり、複雑化し絡み合ってしまう点です。
弊社は、会社設立及び会計・税務の事業領域に留まらず、中国企業との合併交渉業務を重視し、現場第一主義にて数多くの案件を遂行して来ました。通常再編や撤退は1案件につき2~3年越しの交渉対応が通常であり、さらに数年掛かる案件もございます。弊社としては再編案件、持分譲渡(法人売却)、リストラ(事業縮小)、普通清算、破産清算などをクライアント様の取締役に成り代わり、中国人と現場交渉に必ず立会います。持分譲渡では買手を探し売却を実現させ、リストラでは粘り強く経済補償金を交渉し、普通清算では清算配当を最大限に増加させ、破産では民事再生の実現又は清算配当の受理成功を収めて参りました。これも一重に依頼主であるクライアント様の最終利益を考えてのことです。
なお現状、日系企業が事業縮小(リストラ)や撤退を余儀なくされる要因は5つあります。第1は「人件費の上昇」(例えば2010年以降5年間で2倍強)、第2は「市場競争・価格競争の激化」(商品価格のダンピング競争)、第3は「不動産不況に起因した中国経済の大減速」、そして第4は「労働者の権利意識の高揚」、そして最後に「米中における半導体摩擦」となります。とりわけ中国人労働者の就業権利保護等を定めた「労働契約法」の施行以来、中国事業における利益獲得自体が停滞ないしは毀損される状況に陥っている日系企業が多くなってきております。現地における市場経済の急速過ぎる発展が生んだ矛盾であるにせよ、中国経済の回復と復興を祈念します。
皆様には是非とも益々のご依頼をお待ち申し上げております。何卒弊社へのご支援・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。